Sleipnir II

for 2 pianos, 8 hands (2022)

Instrumentation

2 Pianos, 8 Hands

Duration

5′

Premiere

27th October 2024, Tokyo (Japan), 6th Hall, Tokyo University of the Arts

Nanami Okuda, Kishin Nagai, Sakura Watanabe & Tomomichi Watanabe (Pf.)

楽器編成

ピアノ2台8手

演奏所要時間

5分

初演

2024年10月27日、東京藝術大学第6ホール

奥田ななみ、永井基慎、渡邊さくら、渡邊智道(Pf.)

Program Note (JA)

 本作は、同編成のための《Sleipnir I》(2016)の続編として、東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校創立70周年記念演奏会のために2024年に作曲されました。タイトル「スレイプニル(Sleipnir)」は、北欧神話に登場する、八本脚を持ち高速で走る軍馬を指し、「滑る者」を意味するその名は、英単語「slip(滑る)」とも語源的に関連しています。

 本作は前作同様、この神獣の身体的特徴や「slip」という単語からインスピレーションを得た、急速なギャロップ風の音楽です。目まぐるしく転調するスケールや8音の全音階的クラスターなど、幾つかの素材を前作から引き継いでいます。しかし、冒頭部分こそ前作と同じものの、今回新たに導入された8音のネウマの変容プロセスや、70という数字に基づく構造(70を等分した拍数ごとに区切られるセクションや、70が最小公倍数であるポリリズム)により、前作とは全く異なる方向へと展開していきます。

 作曲家として、母校のこのような記念すべき節目に携われることを大変光栄に思います。創立70周年を心よりお祝い申し上げます。