Figure/Ground –Hommage à Erik Satie–

for 26 musicians (2016)

Commission

Ensemble Muromachi

Instrumentation

  • GROUP I (on stage) : Nohkan (doubling Chromatic Harmonica), Shinobue (doubling Nohkan), Shakuhachi, Hichiriki, Chû-Kokyû, Shamisen, 13-string Koto, 17-string Koto, Satsuma-Biwa, 2 Japanese Percussions [1 : Hiradaiko, Chromatic Harmonica, Binzasara, Hyôshigi / 2 : Chromatic Harmonica, Orgel for Geza, Mokushô], Flauto Traverso (doubling Baroque Piccolo), Alto Recorder (doubling Sopranino Recorder), Serpent, Positive Organ (needs a assistant), Harpsichord, Percussion [Reversed Small Cymbal on a Timpano, Bass Drum, Tam-tam, Chromatic Harmonica, Triangle]
  • GROUP II (in auditorium) : 2 Baroque Violins, VIola da Gamba,
    2 Baroque Violoncellos, 10-Course Renaissance Lute (with a Bottleneck)

Duration

9′

Premiere

25th December 2016, Tokyo (Japan), Tokyo Bunka Kaikan, Ensemble Muromachi conducted by Kanako Abe

委嘱

アンサンブル室町

楽器編成

  • グループI(舞台上):能管(クロマティック・ハーモニカ持ち替え)、篠笛(能管持ち替え)、尺八、篳篥、中胡弓、三味線、十三絃箏、十七絃箏、薩摩琵琶、2日本打楽器[1:平太鼓、クロマティック・ハーモニカ、編木、拍子木、2:クロマティック・ハーモニカ、下座用オルゴール、木柾]、フラウト・トラヴェルソ(バロック・ピッコロ持ち替え)、アルト・リコーダー(ソプラニーノ・リコーダー持ち替え)、セルパン、ポジティブ・オルガン(+アシスタント)、チェンバロ、打楽器[ティンパニ、シンバル、大太鼓、タムタム、クロマティック・ハーモニカ、トライアングル]
  • グループⅡ(客席):2バロック・ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、2バロック・チェロ、ルネサンス・リュート

演奏所要時間

9分

初演

2016年12月25日、東京文化会館小ホール、《メリークリスマス エリック・サティ!》、アンサンブル室町、阿部加奈子(指揮)

Program Note (JP)

カナダの作曲家R.マリー・シェーファー(1933-2021)は、サイレンなど人が意識的に聞く【信号音】と、足音など普段は無意識的に聞いている【基調音】の関係を、ルビンの壺(壺と人間の横顔、常に一方が他方の背景になり両者は決して同時には見えない)のような【Figure/Ground(図/地)】と呼ばれる反転図形に例えています。
ここからヒントを得て、本作では【図】はアンサンブルが象っていく音像へ、【地】は指揮者が徹頭徹尾提示する視覚的なパルス運動へとそれぞれ置換されています。またサティが晩年、意識的に聴かれない「家具の音楽」を提唱したことは有名ですが、そうした無意識と意識を結ぶ生理現象・呼吸にも着目し、膨らんでは萎む、呼吸を模した【図】を淡々と展示していきます。遂には【図/地】の関係が反転し……?

私は少しずつ慎重に呼吸する。滅多に踊らない。

エリック・サティ《健忘症患者の回想録》より