Radius

for flute (2019/23)

Instrumentation

flute

 

Duration

13′

 

Premiere

16th September 2019, Tokyo (Japan), Tokyo Concerts Lab., Dogen Kinowaki (Fl.)

 

Premiere of Revised Version

13th July 2023, Paris (France), Maison du Japon / Cité Internationale Universitaire de Paris, Yuri Matsuzaki (Fl.)

 

Performance History

26th October 2023, Tokyo (Japan), Ryogoku Monten Hall, Takahiro Uchiyama (Fl.)

 

楽器編成

フルート

演奏所要時間

13分

 

初演

2019年9月16日、トーキョーコンサーツ・ラボ、《NODUS vol.2 –谺する息吹–》、木ノ脇道元(Fl.)

 

改訂初演

2023年7月13日、パリ国際大学都市日本館、《青柿将大作品個展》、松崎ゆり(Fl.)

 

再演

2023年10月26日、両国門天ホール、《両国橋のほとりで音楽祭2023:Day 3「孤独を楽しむ」》、内山貴博(Fl.)

Program Note (JP)

ある一点から放射状に広がっていく複数の線。 本作はこうした視覚的なアイディアに基づき、あるいは本日演奏されるハインツ・ホリガー作品《木管五重奏のための”h”》––オーボエによるh(シ)の一音を皮切りに展開していく––への私なりのささやかなオマージュとして構想されました。 独立した6つの小品には【R・A・D・I・U・S】の各アルファベットを頭文字とした自由な副題が添えられていますが、いずれもhの持続音を出発点として毎回異なる方向へと進行・逸脱していくという構造を持っています。 « Radius » は「半径」「車輪の輻、スポーク」「棒、杖」「光線」「放射」等に加え、動物の「橈骨(とうこつ)」をも指す語であり、2008年にドイツのホーレ・フェルス洞窟の遺跡から発掘された世界最古とされる約35000年前の“フルート”は、ハゲワシの橈骨で作られているといいます。恰も一本の棒が「撓(たわ)む・撓(しな)う」ような音の身振りを多用しつつ、笛一本が持つ様々な可能性を引き出すことへの、そして有史以前の音楽にまで遡るようなある種の原始性への興味から、この多義語をタイトルとしました。

I. Rays(光線)0:00
II. Anti-(反…)2:18
III. Diorama(ジオラマ)3:41
IV. Illusion(錯覚)5:37
V. Unicorn(一角獣)7:45
VI. Safari(サファリ)9:09